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日比谷ステーション社労士事務所

労基署でお仕事をしてみて

2015.07.01

先日、中央労働基準監督署の臨時労働相談員のお仕事をしてきました。

業務の内容は、労働保険の年度更新の申請書の提出先の窓口担当です。

今までにも色々な業種の年度更新をしてまいりましたが、労基署の窓口にいますと、これまで携わったことのない業種や規模の会社様があったり、また、色々な相談を受けたりと、私自身学ぶことが多い一日でした。

 

そもそも「労働保険の年度更新」とは

社会保険(健康保険や厚生年金保険等)と違い、労働保険(労災保険や雇用保険)は、年に1度必要な金額を概算し、前払いをします。これを「労働保険の年度更新」と呼びます。

前払いをするタイミングで、前年度の労働保険の金額を確定し、前回前払いした金額と比較し、過不足があれば清算します。清算の際、不足分は概算に上乗せをし、多く払い過ぎていた分は、概算分に充当または還付をします。

労働保険料は、従業員に支払った賃金総額に労災保険料率や雇用保険料率を掛けて算出します。計算期間は前年の4月から当年3月までの1年間のため、従業員を雇う会社は、3月締め分の給与額が確定すると、年度更新のための計算を行うことができます。

 

建設業は要注意

建設業者等の請負事業の場合は、元請負人が事業主とされるため、労災保険料は下請負業者に使用される労働者の分も含めて計算をしなくてはならなくなり、少し複雑になります。(雇用保険料の計算方法は前述したとおりです。)

請負いのために賃金の総額を正確に計算することが困難のため、賃金総額を「請負金額×労務費率」という特例の計算方法を使用して算出します。

 

相談員をしてみて

特に印象に残っているのは、「労災保険」と「雇用保険」の対象者が違うということをご存じない方が多かったことです。

せっかく賃金総額を計算していただいたのですが、正社員の方と短時間労働者の方がいらっしゃるのに労災保険と雇用保険が同額で記載されているため、再度計算をしに持ち帰られるという方が多く見受けられました。

また、「労働保険の年度更新が何なのか、そもそも全くわからない」と言って相談に来られる方もいらっしゃいました。

その日だけで50社近くの会社様の対応をさせていただいたのですが、我々社労士はまだまだ色々な発信が足りていないと強く感じた一日でした。

より多くの会社様が社労士に手続の代行依頼や相談をして、労務周りのことをストレスに感じられなくなるよう、私も引き続き発信や提案の方法を考えていきたいと感じました。